地方移住すると生活コストが安く済むと思ったら大間違いな理由

コロナ禍中で在宅ワークになり、はや4ヶ月を迎えました。東京に住みながら通勤せずに自宅で仕事をしています。家にいながら仕事ができるので、もはや家賃の高い東京を出て、地方かマレーシアあたりに移住したほうがいいのでは? と思ったので、その生活コストを皮算用してみました。

地方は生活コストが安く済むというのは本当か?

地方は、家賃は安くて物価もやすい。でも仕事がない(選べない)のが難点ですよね。給与は東京水準で、田舎の生活コストですめば、貯金でもできて、最高なのになぁと思ったことが多々あります。

地方移住が安いなんて、それ本当……? と思ったので、実際に生活コストをシュミレーションしてみました。

地方と東京の家賃を比べた場合

まずは、生きていく上で欠かせない「住」ですが、生活コストの大きな割合を占めるのが家賃ではないでしょうか。東京の住居費は高くつくとはいえ、生活コストというのは、食費や交通費、娯楽費など、トータルでみるべきです。自分が生きていくうえで月々、年間トータルでいくらかかるのだろう?と試算することが大事です。

東京は高い、でも過疎化している田舎には住みたくない

地方といえども過疎地には行きたくないですよね。老人ばかりで、山奥にひとりこもる……というのは現実的ではないので、移住者が増えている場所や自分が気になっている場所との比較をしてみました。

では、東京都心に住んでいる私が憧れの石垣島に住んだ場合、どのような生活コストになるかシュミレーションしてみましょう!

一人暮らしの試算。石垣島で暮らした場合

東京の中でも人気の中目黒と石垣島とを比べてみたいと思います。まず、家賃からいきましょう。今住んでいるのは、東京都目黒区の1kのマンションです。在宅ワークなので、仕事場と生活を分けるためにも少し広めのマンションがいいですね。小さくてもいいから仕事部屋が欲しいですね。

こちらの画像は、石垣市の賃貸マンションです。

http://www.hara-syouzi.com/cata/lots.html?itemno=1549&class=0020000&word=&FF=&NP=0&TOTAL=29&enumber=0

比較的、生活がしやすい市街地を選んでみました。周辺には、スーパーやコンビニ、飲食店もあり徒歩でも生活できるっちゃできますが、徒歩で生活している人はほぼいません(笑)

沖縄は台風が多いので、鉄骨マンションであまり古すぎないマンションを選ぶのがいいですね。

45平米あって、2部屋あって、フローリング、収納も十分にあります。風呂トイレは別で、ガス乾燥機も備え付け。家具家電は付いていないので、引越し送料がかかりそうですね。初期投資とあわせて50万はかかりそうです。島内には、家電やさんもあるので買い物の心配はないですが、競合がいないので安くはないです。定価に近かったりします。ここでは、初期投資額や引越し代をのぞいた、月々の生活コストだけで計算したいと思います。

  • 家賃 77000円(共益費3000円)8万
  • 光熱費(電気、ガス、水道) 1万〜
  • 食費 3万〜5万 外食多めなど、人による
  • 通信費 固定費Wi-Fi 5000円
  • 格安スマホ 3192円
  • 娯楽費兼 経費(spotify、kindleUnlimited、hulu、Netflix)4000円
  • 持病の薬代(2ヶ月に一度)12612円

続いて光熱費ですが、石垣市の電力は火力発電です。なので、東京電力と比べて2倍は高いです。頑張って冷房費を節約しようとしても沖縄は年中暑いです。夜になると風が吹いて涼しくなるのですが、田舎とはいえ泥棒やレイプ事件もあります。女性のひとり暮らしなら、防犯上の理由で窓を開けては寝られません。

そして、毎日お風呂に入るには、ガスが必要ですね。島内の飲食店や家庭では、ほぼプロパンガスを使用しています。電気よりガス代のほうが高くついてびっくりします。こちらも東京に比べて2〜3倍ほど高くつきます。水道は、そこまで変わりはない印象です。3倍というのは、バスタブに浸かるかどうかでも変わってくると思います。沖縄県民は浴槽に水を溜める習慣はありませんが(笑)

続きまして、食費です。基本的に毎日3食自炊をするとして、たまに外食といったところでしょうか。県産品なら安いんじゃなかろうかと思っていたのですが、しのぎを削る東京のスーパーとの差がそこまで感じられません。べらぼうに安いというわけでもありません。

野菜や魚は、新鮮で安いのが手に入るかなという印象です。沖縄の県魚であるグルクンやまぐろは最高に美味しいですよ。パックにぎっしり入ったまぐろが500円で売られてたりします。

しかし、果物は高い。もうこればっかりは高い。沖縄県内で採れる果物といえば、マンゴー、パイナップル、シークワーサー(果物かな?)、ドラゴンフルーツ、タンカン。美味しいんだけど、いうてもマンゴーなんて高級品です。知り合いだから安くしてあげるよーとか、小さいものはあげるーなんていう人もいますね。でも、売り場にならぶようなものは安くはないです。

石垣島産マンゴーは最高に美味しい

それ以外は、本土や海外から船便で運ばれてくるので、その分のコストはかかるため、安くはないです。外食も本土と変わりませんね。町の定食屋は安くてボリュームあるけど、さすがに毎日は飽きます。本土に比べて選択肢が少ないのが残念なポイントではある。松屋も吉野家もありません。

ドラッグストアもたくさんありますが、生活消耗品も本土と価格と変わりません。物によっては、高い物もあります。なんなら人口過多の埼玉あたりのほうがもっと安そう。

石垣島での月の生活費用

生活費をエクセルにしてみました

収入230000
家賃80000
格安スマホ3192
食費(生活消耗品)40000
spotify980
kindle980
薬代(1ヶ月6095
Netflix980
kindle980
hulu1000
服飾費
ヘアカット
冠婚葬祭費
車やバイクを買うなら保険や維持費
飲み代、交際費
生命保険、病気になったときの医療費
書籍費
95793

上記の表のように数字が入力されている箇所は固定費用で、服飾費以下は変動費です。

意外にも家賃と光熱費の占める割合が大きく、残るお金って少ないですよね。収入が少なすぎる…のが問題だよ。とは思いますが、一人暮らしの非正規労働者ってこんなもんです。残業や稼働日数により30万まで増額することもありますが、確実にもらえる収入額での計算するほうが安全です。

そしてバカにできないのが光熱費です。人口の多い首都圏は、生活インフラが整っていてかつ、安い。これは人口が多く税収があるから、インフラ費用をかけてもペイできるからなんですよね。

地方は税収とインフラコストが見合わないので、設備が古いままっていうことがあります。なので、沖縄の水はまずいですよ。東京の水道水のほうがよっぽど美味しい。あとゴミ捨てするのも地方は指定のゴミ袋じゃないとゴミ収集してくれません。そして石垣市は、ゴミ分別が異常に厳しいです。

刺身や惣菜を入れてるプラスチックなんて、洗って出すんですよ。ツナ缶も洗って捨てるんですよ。もちろんジュースのペットも。

ぜ〜んぶ洗って綺麗にしてゴミ出しします。ゴミなのに(笑)

お・か・し・す・ぎ

それもこれも高性能のゴミ焼却炉がないからなんですよね。プラが燃やせない。臭いが出るから洗って出してね、という具合です。

め・ん・ど・す・ぎ

ゴミ袋も指定のものを買わないといけないので、地味にチリツモで結構な額になります。

その点、都会はまじで勝ち組です。人口が多いことをいいことに圧倒的財力で不便を解消してくれます。ダイレクトに市民生活に響きます。

目黒区なんて立派なゴミ焼却炉があるので、袋はドン・キホーテの袋でもいいし、レジ袋も汚れたプラも全部燃やしてくれます。ゴミって毎日のように出るから分別が厳しすぎると地味にストレスです。

でもこれも場所によりますかね。他の地域はどうかわからんけど。

地方移住がいいなんて、一概にいえないが…

東京は確かに家賃は高いけど、最新のエンタメにアクセスできるし、交通の便がよくて休日も安く遊べる。金がかかる生き方もできるし、金がないなりに楽しめることがたくさんある。書店へいけば半日は過ごせます。

何より、人のうわさ話で盛り上がる田舎特有の閉塞感がない。嫌いな人とは物理的に疎遠にできる。

年収が300万円の人にとっては、払った税金分以上の享受があるんですよね。生活インフラだったり、主要都市への利便性だったり、娯楽だったり…etc。

でも、田舎は人間らしく生きてるって気がする

コロナ禍中で思ったけど、もっとシンプルに生きてもいいんじゃないかなって思えたこと。我慢して人混みに行くことはやめるべきだし、満員電車とは無縁だし、流行りのカフェがどうした?

あれが流行ってる、これがセンスいいってマーケティングに踊らされて消耗して、服もそんなにいらないし、ブランド品なんて、もっといらない。

外食ばかり、ファストフードばかり食べないで、野菜をグリルしたり、魚を塩焼きしたりするだけで美味しいってことに気がついた。これも在宅で時間があるからなんだろうな。生活に余裕が出てる気がして心が穏やかです。

とはいえ、独身非正規は、地方移住に憧れてもなかなか踏み切れないところがありますが、いろいろ考える前に

エイヤッ! と飛び込んでみるのもいいのかもな〜と思ったりします。