権力を持つと仲間を追い込むタイプの同僚は役割をまっとうしているだけ

上司が部下に対して業務の範囲を超えて圧力をかけたり、暴言を吐いたり、嫌がらせをすることをパワハラと言います。

上司は部下を管理したり、指図することも仕事。だからこそ、権力を手に入れたと勘違いする人も出てきます。

最近では、ちょっときつい物言いでも部下がストレスを感じればパワハラ認定されるので、コンプライアンスも厳しくなりました。

昭和の時代よりだいぶマシになったパワハラ問題ですが、今回はパワハラとは違う、権力を手にした同僚の暴走を紹介したいと思います。

これは、人格に問題があるわけでもなくむしろ良い人こそ、正義感にあふれ暴走する話です。

パワハラとは少し違う、裁量権を手にした人のきつい追い込み

この間、仕事でこんなことがありました。

上司でも部下でもなく、同僚の話です。

ダブルチェック(最終確認)の担当になった同僚A 。細かいチェックができて一見、優秀そうに見えるのですが、完璧主義が過ぎました。

これまでの担当なら見逃してのびのびとやらせてきたことでも、ルールに厳格に沿うので作業する人は何度も修正させられます。

これが命に関わる仕事なら話は違ってきますが、クリエイティブ職でこれをやられるときついです。

たとえば上司から何度も資料の修正を求められたことはないでしょうか。

そこにロジカルな説明があれば修正するのも納得できますが、どうでもいい修正が続くとモチベーションが保てないですよね。

もう、あなたが作れば?

と思ってしまうし、

ほぉ、ご立派な資料作れるの? お手並見せて〜

と、悪い自分が顔をのぞかせます。

雰囲気が悪くなって作業が億劫になる

こうなるとお互いの仕事の粗探しをしたり、その人との仕事が億劫になります。結果的に非効率な働きになって会社にも損害です。

本来組織というのは、会社に利益をもたらすために個人が成果を出すこと

が大事ですよね。結果的にあしを引っ張ったり嫌がらせになっているのは会社にとって有害です。

正論で人を追い詰めるロジハラな人

こちらのマニュアルに書いてますから!

私は研修でそう教わりましたから!

と、正論で人を追いつめるタイプの人も厄介です。工場の組み立てじゃないんだから、クリエイティブ職に関しては大幅にマニュアルから大幅に外れていなければ、いいじゃないですか。

と言いたくなります。

人は役割に合わせて行動するスタンフォード監獄実験」の例

アメリカのスタンフォード大学で行われた実験がありました。これは普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると役割に合わせて行動する。ということを証明するものでした。

被験者20人ほどを集め、半分を看守役、残りを囚人役にして2週間様子をみました。

実験は本格的でアメリカの本物の囚人より被人道的だったそう。鎖をつけて歩かせたり、シラミ剤を散布したり、トイレに行く時は目隠しするなど。

さらに怖いのは、看守役の人たちが勝手に罰則を設けるなどして暴走したことです。仮釈放の審査なども行われ、囚人役の人は精神がおかしくなっていったそう。

トイレを素手で掃除させたり、靴磨きをさせたり、暴力をふるうようにまでエスカレートして、たったの6日で実験は終了しました。

このように人をどうにかできる権力を与えると、人間は暴走してしまうということが証明されたのです。

監獄実験で分かったヒトの心理的な変化

  1. 自分は他の人よりも優れていると自信をもつ
  2. 自分の意見が優先されると思う
  3. 自分の行動や判断が正しいと思う
  4. 自分の利益を追求する
  5. 道徳心を失う

これらは実験で分かったことですが、監獄という特殊な状況でも道徳心を忘れない人もいると思います。

権力を持つことで公平性や責任を持って、よりよくしようと頑張る人もいます。

監獄実験はランダムで役割が決められました。性格によるものではなく人は役割に従って行動するということが証明されました。

パワハラをする上司もダブルチェックする同僚も役割によって行動している。

さらにリモートワークなのでテキストで伝えるために威圧的。雰囲気はより悪く、上から目線に感じました。

権力を持ち暴走してくる奴への対処法

1.コミュニケーションをとって仲良くなる

こちらから取り入って仲良くなることで仕事が円滑にすすむ場合があります。相手の意見を尊重しますといった雰囲気を全面に出し、こちらの要望を通しやすくするのも手。優秀な営業マンはお客さんにはもちろんのこと、社内の事務員さんに対しても傲慢にならず、派遣社員にも親切だったりします。

私は派遣社員を空気にしている人からの頼みは就業時間をすぎていれば残業をお断りしていました。

しかし、日頃から「ありがとう」と感謝の言葉を言ってくれたりする人には対応していました。それが人間ってものですよね。

感情があるのですから。

普段から他者を尊重しているひとは、急な仕事でも「しょうがないなぁ」と社内の人が助けてくれたりします。

仲間意識を持つ、というのはとても大事だと思います。

日頃の行いが活きるってことを分かってる人は仕事もできますよね。

2.1回キレてみる

下手に出てると調子に乗るやつっていますよね。でも、そういう奴に一回大声でキレてみるとびっくりしてシュンとなる場合もあります。

キレ返してくるやつなら、とことんケンカしてむしろ仲良くなりそうですが。笑。

小心者もいるので、理不尽だと思うことにはキレていいと思います。ただ、子どものワガママみたいなキレ方はダメです。

社会人として論理的に怒る。ことができれば、上司から後で理由を聞かれた際に説明できるようにしておきましょう。

3.環境を変える

もしネチネチつめられて自分の精神が崩壊するなら、仕事をやめるのも手です。うつ病になると回復するのに意外と長いです。

ですが、辞める前に悪あがきをしましょう。

ただで辞めるのはもったいないですからね。

上司が対象であればその上の上司に相談することです。あいつのあーゆう態度が私のストレスになっていて業務がスムーズに進行できないことを報告するべきです。

それで対応が変わらないのなら未来はないので、粛々と転職活動をしましょう。

タスクリストを作成してゲームのように攻略していきましょう。どうせ辞めるのですから。

それで改善されれば御の字と思って。

ですが、私は追いつめられて同僚が辞めていくのをみました。一見、業務上の注意に見えるのですが、明らかにやりすぎていました。

気の弱い人なら「あぁ、私の要領が悪いから何だ……」と落ち込みます。

でも、私は気づいていました。

その同僚が頑張り屋で、効率よく仕事をするために人から吸収しようとする。そして、自分を改善しようとすることを。

でも、圧の強い人を前にするとメンタルが弱ってしまうんですよね。

その同僚は「辞める」という決断をして去っていきました。

会社は一人の人を一人前にするためにコストがかかっています。それをまた違う社員が潰して辞めさせる。

側から見てもったいないなぁと思っても、これが社会だよなぁとも思います。

働くことは弱肉強食の世界。

その追い込み系同僚も役割をまっとうしているだけです。負けたものが去っただけです。

みんな自分の立場を守りたい

人間には競争意識や自己保身があったり、不安や不満を解消したい心があります。だから、役割を全うして、自分のポジションを守りたいと思います。

地位を向上させたいし、人から褒められたい承認欲求もあります。

だからこそ、役割を与えられたら暴走したり、自己流のやり方で嫌われたりするのだと思います。

人は働かないといけないし、人と関わらないと生きていけません。

自己主張をして改善を促すのもあり、助けを求めるのもあり、面倒なことには関わらないですぐ立ち去る。というのも自分次第。

選択するのも決めるのも自分です。

私も色々な企業で働いてきましたが、追い込んでくる人に対してどうしていたかというと、自分にとって利益があることなら相手に従うということです。

会社には金を稼ぎに来ている。

としか考えないので、給料とその我慢が割りに合うかどうか。で決めています。

それが会社の居心地の良さなのか、給料なのか、会社の知名度の高さで恩恵が得られるのか。

色々な打算があると思います。自分の価値観と照らし合わせて生きるだけです。