アムウェイやニュースキンに代表されるマルチ商法。これらに関わる人たちはマルチじゃなくて、「ネットワークビジネス」もしくは「マルチレベルマーケティング」!
と、主張しますがどちらでもいいです。巷の人がマルチ商法っていうんだから、マルチ商法です。それで通じます。
彼らが「MLM(マルチレベルマーケティング)」とかっこ良さげに横文字にして、マイナスイメージを払拭しようとする常套手段です。
こちらの記事がよく読まれているます。よろしければどうぞ。
人生の中でマルチやカルト宗教に誘われる人は多い
創価学会や幸福の科学などの新興宗教をはじめ、アムウェイやニュースキンなどのマルチ商法に勧誘されたことは、誰しも人生に1回はあるはず。
こういう胡散臭いものが大嫌いだったり、私にはいらない! と思えば、そういう勧誘の手から逃れればいい話なんですが、これが生活に直結する仕事だったり、交友関係に巧妙に紛れているのが厄介だなぁと思った話です。
「ドロップアウト シリコンバレーを騙した女」をみて
さて、アマンダ サイフリッド主演のドラマ「ドロップアウト シリコンバレーを騙した女」をディズニープラスでみました。私はIT系のフリーランスで働いているアラフォー女なので、スタートアップ系のドラマや映画が大好きです。
倉庫のような場所からPCひとつで何十億も利益を出せるのは、みていてやる気を起こさせますし、夢があります。マークザッカバーグも、ジェフベゾスもスティーブジョブズも、初めは自らが手足を動かして鬼作業してたんだから、凡人な私が彼らの100倍働かなくてどうする? と思って奮起したり。(結局怠惰が勝ってやらない……)。
この「ドロップアウト」もハーバード大学の若い女性が起業に奮闘するドラマかと思って期待して見始めましたが、結論から言うと、ただの見栄っ張りの女がVCや周りのおじさん達を騙した詐欺師の話でした。
途中何度も挫折しそうになりましたが、オチが気になったので最後まで完走しました。あのキュートなアマンダ サイフリッドが嫌な女に見えるくらい演技も憎ったらしくてうざくてよかったです。
まずはあらすじを。
アマンダ演じるエリザベス・ホームズは、ハーバード大学に通う中流より少し裕福な女性。幼い頃から「何か発明をして世の中を変えたい」と語っており、在学中に“血液一滴で病気を発見する”会社を起こしたい。と考えます。
退学して本格的に起業するのですが、スタートアップあるあるの資金調達に難儀したり、良い開発結果が出なかったりするのですが、見ているこちらもまぁ初めはそんなもんだろうね。スタートアップだもの。
と、応援する気持ちと感情移入をし始めます。
ただ、途中からデータを改ざんしたり、嘘をついたり、相手をミスリードするような言動や行動をしたりします。のらりくらりと逃げたりします。
女性版”スティーブジョブズ”とうたってますが、一緒にしないでほしいです。スティーブジョブズはデザインにめちゃくちゃうるさいどころか神経質と言っていいレベルでプロダクトの発展に寄与しましたし、エンジニアではないかもしれないですが、優秀なプログラマをリクルートしたり、マネジメントしたり。とにかくプロダクトへの愛というか、売れる製品をきちんと作ったのですから、まじで一緒にしないでほしいです。
見えない基板のデザインにもこだわっていたので、デザインへの執着は凡人の比じゃないです。
スティーブジョブズがいた頃のApple製品の方がいい、という人もいるくらいです。あんな女詐欺師と一緒にしないでほしいです。
どのへんがマルチ商法の女と一緒なのか?
1.ハッタリをかます
時にハッタリは大事です。Microsoftを創業したビルゲイツは若かりし頃、売れるものがなくても
「作れます〜」
と営業をかけて、そこから製品を作って売ってお金にしていました。それは彼がプログラマーであり、虚業ではなく実業をしていたからです。ハッタリでもなく、
「こんなのがほしいけどある?」
と言われたら、とりあえずやってみようの精神で自らが手を動かして製品を開発したからに他なりません。
それに比べて「ドロップアウト」のエリザベスは、ハッタリするのはいいが、肝心のプロダクトがずっと未完成でしまいにはデータの改ざんまで行うから呆れます。それただの嘘つきやん。
そこが、ビジネスマンでもなんでもなく、マルチ商法の人たちと同じで、勧誘する際に
「サプリを飲み続けて病気が治った人がいる」「権利収入になるよ」「資産形成できるよ」と、大ボラを吹きます。今なら
「仮想通貨で儲かるよ!」もあるかもしれないですね。
2.ミスリードする
マルチ商法の人やネットワーカーたちは、いかにも儲かっているというふうに自己演出します。そうしないと信者を勧誘できないからです。
- 喋り方
- 立ち居振る舞い
- 髪型、服装
- ブランド品でかためた持ち物
- SNSでホテル宿泊自慢
などで金持ち風を演出します。「ドロップアウト」では、ブロンドに赤い口紅、オールブラックコーデ、低い喋り方を徹底していました。
彼女は、女性であるということと、ブロンドがウケる。ということを確信していました。
作中でエリザベスが鏡に向かって何度も喋りを練習するシーンがあるのですが、正直、気持ち悪かったです。それぐらい役者アマンダはプロフェッショナルでした。
見た目や話し方を工夫して相手を勘違いさせる、ミスリードさせるのは詐欺師の常套手段です。
3.ヒステリーを起こす
マルチ商法の女たちはセミナーで自分語りをするときに感極まって泣いたりすることがあります。普段から、
出会いに感謝! こんないいご縁をありがとう! 夢は叶う! とか言ってる人たちなので、感情的で自分に酔っていて少し芝居がかかっています。
「ドロップアウト」でもキレたりするシーンがあり感情的です。部下がミスって叱ることはありですが、作中では土壇場で人のせいにしたり、キレて話になりません。
マルチ商法の人はよくも悪くも感情的な人が多いです。
4.不誠実
「ドロップアウト」では大事なことから目をそむけ、問題に向き合わずその場を乗り切るために嘘をついたり、正す人を排除していました。
データの改ざん病気の人の血液を騙して採取したり。
マルチ商法の人たちは、商品の買い込みをさせたり、薬事法に違反するような謳い文句で釣ったり、儲かる確証なんてないのに儲かると煽ります。
大成しない人を囲って長年養分にしていたり、セミナー準備などのでただ働きさせていたりするところも不誠実だと思います。
5.誰も信用していない、ドライな人間関係
「ドロップアウト」では同じ会社の仲間なのに情報漏洩の防止のため、社内に多数の警備員を配置したり、至る所に防犯カメラがあって社員を監視していました。資金調達できましたー!とか言って社内パーティーとかで華やかに見せつつ、実態は社員を超監視しています。
そんな会社嫌ですよね。性悪説で動いている会社いやです。
マルチ商法の人も、入会1年目の人にはチヤホヤしますが、使えない人には塩対応ですし、口では
出会いに感謝、ご縁に感謝、一生のお付き合い♪とか言いつつも、損得勘定で動いています。
でもしょうがないですよね。人間だもの。
7.行動力のあるバカ
エリザベスはまぁ行動力あります。初めは情熱があってテクノロジーで「世の中を変えたい」と思っていたかもしれません。でも、スタートアップの若い女性CEOとしてチヤホヤされたり、多額の出資金を得たりしていくうちに「私ってできる女なのでは?」と勘違いし始めます。
確かにおじさんをころがして多額の出資金を得たのはすごいですが、開発の実務を推進する能力がなかった。会社に寝泊まりしながら、自分で車を運転してVCにプレゼンして、がむしゃらに働いていたのはすごかった。
でも、一つも実業がなかった。ハリボテの検査結果ばかりで虚業だった。
私も一時期、取り憑かれたように行動していたので、すごくよくわかる。動けば事態は好転するかと思っていました。
何も見返りはないのにね……。
マルチ商法にハマっていた私が赤裸々につづっています。
こちらも実話に基づく話をドラマ化して面白いです。
スタートアップの奮闘を疑似体験できる作品はこちら
ここからは、本当におすすめしたいガチのスタートアップの面白い作品のご紹介です。
ハーバード大学に通うオタクの学生が起業して奮闘するドラマ「シリコンバレー」も面白いです。プログラマーあるあるなところをきちんと描いていたり、VC(ベンチャーキャピタル)の傲慢さ、Google(だと思われる)のイケイケなところの演出もあるあるだな〜って思ったりと。
私もアプリ開発のスタートアップで働いていたので、プログラマー男子あるあるがみていて楽しかったです。
今見たらAmazonプライムから外れて有料になってますね。
フェイスブック創業者のマークザッカバーグのサービス立ち上げの動機から起業して大成功するまでの軌跡の映画「ソーシャル・ネットワーク」も、
へ〜! スタートはこんなだったんだ〜とか、会社が大きくなるとこういうところで揉めるのね〜と思ったり。ドラマチックに描かれていて映画として面白かったです。
こちらもAmazonで見られます。
マルチ商法やカルトに洗脳されないように
人生の中でマルチ商法や新興宗教に誘われる機会はあると思います。日常にさらりを潜んでいることが多いので、騙されないように洗脳されないように、そういう話を持ってくる人からは距離を取ったり、深いりしないようにしましょう。