よく勘違いされるんだけど、マルチをやる人の目的は「金」じゃないのよ

20年経っても30年経ってもイメージが良くならないネットワークビジネス。国内シェア1位を誇るのは悪名高きアムウェイですが、ニュースキンジャパンも負けていません。スキンケア製品やサプリメント主戦力にこちらは国内シェア4位くらい。年々、最高タイトルが減ってるのも興味深いポイントです。

20代でニュースキン沼にハマり、230万円溶かしたアラサーOLの日常と過去を綴ります。

かつて私も勧誘されたニュースキン。ビジネスメンバーとして2年弱くらいやってましたが、もう声かける人がいない! っていうほどやり尽くしましたが、資金が尽きてしまいました……。

合計カード払いの230万を溶かし、それ以外にも時給換算するとウン百万は溶かしていると思います。

よく言われるのは「上にいる人しか儲からない」とか、「上陸した当時にスタートした人が総取り」「情弱乙wwwww」などど、世間の人は笑うかもしれません。

でも、ネットワークビジネスをしている人ってみんながみんな「金」を目的に活動しているわけではないのです。一応、合法なビジネスなわけですから、一生懸命やっている人を嘲笑うのはやめて欲しいのです(一番笑ってるのは私※過去のばかな自分に笑っているのです)。

いつか、自分の身内が、大切な人が勧誘されたときには、寄り添ってあげられるように、ぜひこのことを留意しておいて欲しいと思います。

みんな自分のことを肯定してほしいと思っている

お金だけでスタートした人というのは、儲からなければすぐ辞めます。でも、5年経っても、10年経っても、ディストリビューターのまま、もしくは、長年LOIも出さずにいる人っていますよね。イベント参加率は100%で、置き物みたいな人。

そういう人は、セミナーやMTGのときは周りに感化されて、「絶対やり切る!」なんて言いますが、本心はできるとは思っていません(勝手な憶測w)。

長年タイトルを達成できない人というのは、組織にいるのが心地いいからいるのです。このチームにいれば、自己肯定されて、承認欲求を満たせます。

非モテで友達もいなくて、うだつが上がらない芋くさい人は、組織にいる時だけは、みんなから声をかけられたり、「元気〜〜〜?」なんて言われるのが嬉しいのです。

他人から見ると、それだけの為に!? と思いますが、これが承認欲求が満たされるということなんです。

「推し」に課金する人と何ら変わりない

宝塚や舞台など観劇が趣味な人、韓流アイドル、ジャニーズやバンドの追っかけ……etc。生きていると、乾いた日々に彩りを与えてくれる「推し」に出会うことがあります。

ネットワークビジネスでトップタイトルを獲る人はなぜか、魅力のある人が多いです。この人のためなら、製品を買うことも、セミナーに足繁く通うことも痛くも痒くもありません。むしろ、喜びになります。

自分から始まる組織の場合は、管理画面のようなもので誰がいくら買ったかを見ることができるので、お金を使えば使うほど「推し」に貢献度を示せます。

ホストや嬢に貢ぐ太客のイメージです。

ネットワークビジネスというのは、自分から始まる組織構築が肝のビジネスですが、一度囲ってしまえば、お金を使ってくれる最大のお客様になります。

役割を与えられれば、人はタダ働きでもがむしゃらに働く

何者でもない人というのは、

誰かのためになりたいとか、人の役に立ちたいとか、自分の存在意義を示せるポジションを与えられると、深夜も休みなくタダ働きします。トップタイトルを獲る人はその辺のコントロールが上手いです。人を扱うのがうまい。

この人にこの役割を任せられたから頑張る。組織の運営に関われている気分がしてなんか気持ちいい。というのを狙っていい塩梅でワクワりを与えています。

「あなただからできると思ってる」、「あなたに任せたい」と頼られれば、「人肌脱いじゃおうかな」というのが人ごころ。

某ちゅうさんのオンラインサロンで、月額を払ってくれるサロンメンバーに“会社と遊びの中間の経験”させると称して、情報収集させたり、広告バナーをつくる案件や、ほかにもイベントをPRする案件などを任せるという名目で、ブラック企業も驚きのタダ働きをさせていました。

これとまんま一緒ですね。

過去に秘書的な役割をする人がそういう感じでした。

組織のトップの運転手やスケジュール管理、イベント調整などもやらされていました。本人曰く、「修行だから。社長の鞄持ちができるのが貴重」と、キラキラした目をしていたのが印象的です。

深みにハマると抜け出せない。天国とも言えるし、地獄とも言える

長年ネットワークビジネスをやっていると、付き合う人が偏ってきます。一緒にいて楽しい人とビジネスをやると長続きします。逆に仲が悪いと一気に組織が崩れます。良くも悪くも同じ人とつるむので居心地がよくて、やめられません。

共有する価値観が一緒なので、その組織から出るのが怖くなります。

こいつらは褒めることも仕事なので、褒められた方はまんざらでもありません。普通生きてて、褒められることなんてそうそうないですよね。

服屋行ったときの「お似合いです〜〜〜」という店員さんのおべっかぐらいちゃうか。

私なんて、1年ぶりに実家に帰っても見た目のことしか揶揄されませんよ。

親父なんて、「ちょっと太ったな。白豚みたいだな」。なんて辛口いってきますよ。黒豚はいるけど白豚なんて聞いたことないで……。

嘘でも褒められると人の脳は勘違いしてくれるので、いい気分でいられます。

なので、組織にピタッとハマる人は、そこしか居場所がないので天国とも言えるし地獄とも言えるのではないかと。

ステージに立って賞賛を浴びた感覚が忘れられない

タイトル達成すると、ドレスで煌びやかに着飾って華々しいステージでスピーチをしたり、広報誌でインタビューをされたりして、芸能人のような扱いをされます。それを一度味わえば、またそのステージに立ちたい! と思うのでしょう。

何億も稼いだ芸能人がテレビに出ることをやめられないのは、自分への賞賛がなくなるからだと思います。もう一生分稼いだくせにやめられないのは、尽きない承認欲求によるものだと思います。

我々のような一般人には表彰式など無縁なので、一度味わうとそれを維持したくなるのでしょうね。

金でスタートしたのに気づいたら違ってた

自分が気に入った製品を人に勧めるだけでお金がもらえるなんて、楽勝じゃない? と思ってた、かつての私。副業として月5万円くらい入ってきたら御の字じゃない? とも思ってました。でも気づいたら、なんかいい人たちだし、人間としての礼儀だったりを学べたり、営業スキルもついた気がする。人の欠点を見つけるのではなく、いいところを見つけて褒めることができて、相手も喜んでくれる。

と、やりがいが増していました。最終的には抜け出すことができたけど、ふかみにハマった人は、組織がある以上ネットワークビジネスから抜け出せないのではないかと思います。

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