マルチにハマった私はいつ目を覚ましたか

ニュースキンやアムウェイなどマルチビジネスに声をかけられた人ってけっこういると思います。
私の場合は、姉がアムウェイ信者に「ヨガやらない?」という感じで声をかけられて、そのあとにみんなでラーメンを食べにいったのがが初めてだったと思う。

そこからアムウェイだけじゃなく、いろいろなマルチの人たちから声をかけられるようになったんですよね。不思議。

姉は友達がいないので、大体そういうときは私のことを連れ出すんですよね。
で、私は別に断る理由もないから「いいよ~暇だし」って感じで一緒におでかけすることが多い。

ほんで、姉も私もあきらかに詐欺ではないことに対しては別に偏見もないから
そういうお誘いにはフットワークが軽い。そこに知り合いがいればの話ですが。

マルチビジネスって詳しくはMLM(マルチレベルマーケティング)というんだけど、商品が介在していれば詐欺でもないし、ねずみ講でもないんですよね。だから、粗悪な物や明らかに高すぎるものでなければ、世の中のひとつのビジネス手法なんだろう。と思って生きてきた。

だからやめた今でも偏見はありません。

でも、アムウェイの場合はなぜか「ダサい」と思ってしまったんですよね。

次にきた「ニュースキン」は、化粧品がいいからそこからの入りというかハマりがすごかった。商品を好きになってビジネスをしている人を好きになって、そこから私もやるようになった。

マルチをやっている人って誰しもどこかのグループに所属するのですが
連帯感を強めるためや売り上げを伸ばそうぜ!ということで、そのグループでミーティングや合宿などをやるんですよね。

MTGなら毎日、毎週やる人もいるし、100名は超える大規模な合宿なら忘年会を兼ねてやったりします。
また、新しくビジネスを始めたい人やビジネス1年生みたいな人を洗脳する場でもあるので自分から始まるビジネスメンバーの人をダウンと呼びますが、その人数が多いか少ないかでも見えないマウンティングになります。

で、私も2年を超えたあたりから、売り上げも上がらないしなんだか飽きちゃったな~。費用対効果悪いな~なんて思ってたんですね。商品をかってくれるお客さんのために使うお金よりも、グループでMTGするための交通費やカフェ代のほうにお金がかかりすぎちゃって。

「あれ?これって意味ある? ただのボランティアじゃない? まったくの他人のために私がお金使ってない? 」と気づいちゃったんですよね。←遅い!

で、心にモヤモヤを抱えながら2年目の忘年会 兼 合宿に参加しました。

合宿のときって、朝からぎっちり予定が組まれているんですよ。企業の研修ばりに。

マルチの仕組み

09:00 製品のデモンストレーション
10:00 直アップとのMTG(自分の上のツリーにいる人)
17:00 ゲームを交えて交流会?みたいな(苦笑)
19:00 夕食と余興、MVPの発表(シャネルやエルメスなどの豪華賞品あり)

このような感じで。

そして、夜が更けてもMTGしたりして超疲れます。

なんか遅くまでやってる俺らかっこいー。とか思ってる雰囲気びんびんハウス。

お風呂入るときも直UPからの製品おすすめ攻撃はやみません。
もちろん、宿のシャンプーは使いません。使おうとしようものなら非国民扱いまったなしです。

「製品を愛しきれてないでございますよ!」

「この製品はこういう使い方があるざますよ!」とマウントも忘れない。

宿の人にとったらアメニティの使用頻度が減って最高のお客さん!

2泊3日でぎっちり洗脳されて、夜も遅くまでMTG。
寝不足で疲れも出てくる3日目。

ここで最後におのおのが「なぜニュースキンを始めたか?」
についてプレゼンするんですよね。

そしたらみんな自分のこと話すの好きですねぇ。

感情的になって泣き出す人とかいて。

「うわぁ、、、引くわ、、、」

と正直思っちゃいました。100名いる場で泣きながら身の上話聞かされるってヤバくないですか?
自分が興味ある講演会へいってその状態ならまだしも。

「あいつ誰? 」ってやつの話を延々聞かされるんですよ。

合宿費を払って・・・・。

それが私がマルチから目覚めたときです。

マルチをしている人ってお金稼ぎたいって人ばかりだと思ってたんですよね。
でも、そのとき思ったのが

「あぁ、人って誰かに話しを聞いてほしいし、自分を認めてほしい場が必要なんだな」ってことです。

だからハマるんだな、って。

マルチをやる人に陰キャも陽キャもいるけど、全員に共通するのは
仲間といると楽しいし、自分の話をみんな嫌がらずに聞いてくれるし手伝ってと言われたら必要とされてる気がして嬉しいってことです。

それなら「ボランティアでもやれや」って思いますが

違うんです。

ボランティアをすれば感謝のことばひとつくらいはもらえるかもしれないけれど、表彰はされないじゃないですか。その年がんばった人が全国のビジネスメンバーの前できれいなドレスをきてスピーチするとかないし。華やかに評価されることがない。

儲からなくてもマルチにハマってる人って自分の存在価値を他者に認められたいからやってるんですよ。

それが、宗教じゃなくてマルチだっただけの話です。

現代ではそれがインターネットにも移行しつつあるのかも。アフィリエイト界隈とかそのへん。
リアルなのかバーチャルなのか。ってところだけなのかも。

今でもときおり思い出しては、あぁあのときこんなことがあったな。あの人はどうしているだろう?
と思うことがありますが、戻りたいとも思いません。

承認欲求が満たされているし、その活動力(エネルギー)がもうないですね。

最後に私がグループの人に言われて、キモいと思った言葉を贈ります。

「神さまは乗り越えられない試練は与えない」

あのハゲ元気かな?