水木しげるの境港と「足立美術館」と出雲市駅近くの居酒屋「のどぐろ日本海」が最高すぎた一人旅

サンライズ出雲に乗って水曜の夜に東京駅を出発してから朝の9時に安来駅に到着。車内では意外と寝れたので、朝から頭もスッキリしていて、これならちゃんと観光も楽しめそうとホッとする。

あいにくの曇り空ですが、これが日本海側らしくていいんじゃない。と思って観光に出発。

サンサイズ出雲乗車レビュー。よろしければこちらもどうぞ。

一人旅は急な路線変更が可能だから楽しい

安来駅に着いたら「足立美術館」へ朝行って、午後までゆっくりするつもりだった。

しかし、ゲゲゲの鬼太郎でお馴染みの水木しげるが幼少期を過ごした境港駅が近くにあると知って、ランチで美味しい海鮮でもついでに食べられたらいいな、と思い立ち寄ることにした。

境港駅から水木しげる博物館までの道のりに「水木しげるロード」があって、水木しげる作品の妖怪たちが銅像になってあちらこちらにいた。

3月下旬に行ったので桜がまだ咲いていて綺麗だった。

大きな妖怪の銅像や、ちんまりしたものもあって

「え! こんなところにも妖怪!?」と発見する楽しみがあり、立ち並ぶお土産ショップも水木しげるの作品に全乗っかりしていて、商魂たくましいな、と思った。

ランチは、漁港の近くの食堂「かいがん」へ。

早朝からオープンしている「かいがん」。食堂のおばちゃんが話しかけてくれて、

「あなた、駅からずっと歩いてきたの? 途中で「かいがん」に向かうだろうなーと思ったから乗せてあげようかと思ったんだけどねぇ! 東京からきたの?ここ、何もないでしょ!」

と話しかけてくれた。

女が一人旅をしているとおばさんやおじさんが話かけてくるのはなぜなのだ。

これも一人旅の醍醐味なんだけど。

こちらは「刺身定食」。タコ、貝、甘エビ、サーモン、マグロ、イカ、鯛?はまち?だったかが厚切で提供され、ごぼうのきんぴら、蕗のとう、なます、きゅうりの漬物、味噌汁、茶碗蒸し、白米がついて確か1800円ほど。

後から男性の一人客が入ってきて、「のどぐろはないですか?」と尋ねたら

おばさんは「ないですね」

と塩対応していたのが笑えた。男性の旅行者にはあまり優しくないんだな 笑。

ここは美味しくてお得だと思ったけど、駅から約40分かけて歩いてきたので、タクシーを使えばよかっと思った。でも、一人でも散歩しながら、家や商店を見ながら歩くのが好きなので、これも悪くない。

途中のなんてことない道で、「え!?ここにも妖怪が?」と思ったのだが、ただの苔まみれのボールだった。

妖怪ロードを歩いてくると、この後の全てが妖怪に見えてくる。

境港駅から安来駅へ

ローカル線に乗っていると、現地の人の生活を想像してしまう。部活帰りの学生や、子どもと旅をしているワンオペママ。

米子空港駅は、妖怪の名前がついて、ベトベトさん駅っていうのかぁと思ったり。空港の駅でもあるし、鳥取はコナン空港もあるしで、県内に2つ空港があるって、すごいなぁと思ったり。

こうしてみると、日本の交通網ってすごい。東京駅からはバスでも鉄道でも行けないところはない、っていうぐらいどこへでも行けるし。旅客機の離発着がある空港という意味で、地方にも空港はたくさんあって、全部の空港に降り立った人なんていないんじゃない?っていうぐらいたくさんある。

半日あればどこへだって行けるのが日本。すごいなぁと電車に乗りながら思う。

前にTVで見た記憶があるのだけれど、ポケモンの会社で働いている人はポケモンのキャラクターを全て答えられなきゃ行けない試験みたいなのをやっていたのを思い出した。

水木しげる博物館にて。

全国のご当地妖怪もいて、これを全て覚えるのは大変だろうなぁと思った。日本人は、キャラクターの横展開がうまいなぁと感心した。

日本一の庭園ここにあり。「足立美術館」が良かった

安来駅から足立美術館までは無料のシャトルバスが運行している。乗車前に体温を測られ消毒をして、時間になったら出発。

15時を過ぎていて、場所は山の方へと向かう。結構な距離がある。あぁ、妖怪に時間を割き過ぎた。旅のメインは足立美術館だというのに。

日本一の庭園と謳うだけあって、立派だった。オープン前に1時間かけて全従業員で掃除するのだという。庭園が美しいのはもちろんのこと、館内は庭園が美しく見えるような設計になっていて、大きな窓ガラスがいっぱいある。

それらが指紋ひとつなく綺麗で、ぼーっとした人なら頭をぶつけそうだなぁと思った。

館内の喫茶店で抹茶アイスラテを。4人座れる立派なソファ席を独り占め。どこから見ても庭園が美しかった。平日なので窓際も空いていた。

ここに一人でいる私、かっこいい。って思っちゃうような映画のセットのような美しさ。

横山大観だけじゃなく、現代作家の大きな絵画もあって、みどごろ満載。所要2時間じゃ足りないほど充実しているので、次回は朝からじっくり鑑賞したいと思う。

安達美術館の創設した足立全康氏はもっと注目されていいのでは

入館料は2300円と少々お高いが、これだけの敷地と美術品を維持するには金がかかるだろうなと思う。創設者の足立全康氏は、島根県出身で大阪で財を成した人物らしい。

一代で金持ちになった人というのは、自分でビジネスを始めた人に多い。一度失敗しても模索し続け、財を成す。横山大観の作品を収集し続け、足立美術館にも多数のコレクションがある。

足立美術館を見ると、この人がとんでもねぇ金持ちだなということがわかる。この人は死んでもなお、生きているんだなと思う。

子孫たちが管理して、維持しているんだもの。

安来駅から出雲市駅へ。駅近くの「日本海」で一人飲み

今夜の宿は出雲市駅のスーパーホテル。夕食はそこから徒歩8分ほど行った居酒屋「日本海」へ行った。お昼も日本海の刺身を食べたが、美味しかったのでまたお造りを注文。

歩き疲れてヘトヘトで、空腹がやばい。注文は、生ビール、鳥レバーの生姜煮、きゅうりの麦味噌添え、どて煮、赤天(すり身を焼いた島根の郷土料理)を一気に注文。

ここはのどぐろがウリなのだけれど、すぐに出るおつまみを色々頼んだら、結構お腹いっぱいになった。一人旅は料理をシェアできないのがアレだけど、やはりここでも自分が食べたいものを注文できるという点で、一人旅の魅力だよな〜と思ってしまう。

お昼の「かいがん」でおばちゃんに「一人旅は少し寂しいかもだけど、気楽でいいわよね〜」と言われたが、そもそも一人が寂しい人は一人旅なんかしませんよねぇーと思う。

とことん気楽で身軽で自由だから一人旅が楽しい。

あちこち歩いて疲れた足にビールが美味しい。足も美味しいって言ってる。生き返るわ〜って思ってる。お造りは、のどぐろ、貝、生わかめ、あと白身の魚、きびなごみたいな青魚も合って、680円くらいだった気がする。安い! 毎日食べたいぐらい安い! しかも一人前から作ってくれた。

赤天は炙ってあって七味マヨネーズが抜群に合って美味しい。

きゅうりもしゃくしゃくで氷も添えられていて、器も美しい。麦味噌も素朴で疲れた体に塩分が沁み渡る。滞在時間は1時間程度だけど、メインを食べないままお腹いっぱいになって、ちょうどいいお腹具合でホテルに戻る。

旅先でご飯が美味しいとそれだけで思い出深い旅になる。

全部当たりだーと楽しくなる。自分が肯定されたようで嬉しくなる。

幸福な気分で眠りにつける。

日本はどこへ行っても食べ物がうまい。最高!

今日はぐっすり寝て、明日は出雲大社へ参拝して、出雲そばを食べます。食いしん坊一人旅は続きます。