合格率9割だけど医学部に入るほうが狭き門!?国家資格の医師免許

医師免許をとるには?

医師は、医療行為を通じて人々の命と健康を守る国家資格の専門職です。医師になるためには、大学の医学部(6年制)を卒業し、医師国家試験に合格する必要があります。

その後、2年間の初期臨床研修を経て、各診療科に進むのが一般的です。

医師の業務は、診察・診断・治療・手術・予防医学・健康管理など多岐にわたり、病院や診療所、大学、研究機関、公的機関など活躍の場も広いです。

専門分野によって勤務形態やライフスタイルも異なり、外科系は忙しく体力が必要で、内科系は論理的思考が求められます。

医師は高い知識と責任が求められ、日々の学びも欠かせませんが、人命に直結する仕事であるため、社会的信頼性ややりがいも非常に大きい職業です。

■ 主な仕事内容

  1. 診察(問診・視診・触診など)
     患者の症状や状態を聞き取り、身体をチェックして原因を探ります。
  2. 診断
     必要に応じて検査(血液検査、X線、CT、MRIなど)を行い、病名や病状を特定します。
  3. 治療
     投薬・注射・手術・生活指導などを通じて症状を改善し、病気を治します。
  4. 経過観察・フォローアップ
     継続的に状態を確認し、再発や悪化を防ぐサポートを行います。
  5. 予防医療・健康管理
     健康診断やワクチン接種、生活習慣改善の指導を通じて病気の予防を図ります。
  6. 緊急対応(救急医療)
     事故や急病などの緊急患者に対して、迅速な対応を行います。

また、診療科によって業務内容は大きく異なります。外科なら手術中心、内科なら診断と内服治療中心、産婦人科や小児科、精神科などでも専門性の高い業務が行われます。加えて、病院勤務だけでなく、研究、教育、行政、産業医などさまざまな分野で活躍する医師もいます。

医師免許を取得することの魅力

医師免許を取得することの最大の魅力は、「人の命と健康を直接支える専門職」として、高い社会的信頼と尊敬を得られる点にあります。

医師は患者の不安を和らげ、回復へ導く存在であり、その責任の大きさと同時に、やりがいや達成感も非常に大きい職業です。

また、医師免許は国家資格の中でも最難関の一つであり、その取得により得られる知識・技術・地位は一生ものの財産となります。

さらに、勤務先や診療科によって働き方をある程度コントロールできる点も魅力です。

病院勤務に限らず、開業医、産業医、研究者、公衆衛生や医療行政に携わるなど、キャリアの選択肢が豊富で、多様な生き方が可能です。

経済的にも安定しやすく、高収入が期待できることも魅力の一つです。加えて、国内外で通用する専門性を持ち、将来の自立性・独立性も高く、社会への貢献度も非常に大きい資格と言えます。

■ 想定年収の目安(日本国内)

医師は日本でもトップクラスの収入が期待できる職業ですが、勤務する科によって年収も異なります。また、それに見合うだけの責任や勤務時間、ストレスがあることも特徴です。

職種・形態年収の目安
初期研修医(1~2年目)約400万~500万円
後期研修医(3~5年目)約600万~900万円
病院勤務医(常勤)約1,000万~1,500万円
開業医約1,500万~3,000万円以上
非常勤医師(パート・バイト)日給5万~10万円(週数回で年収1,000万超も)

■ 科目別の差

  • 高年収傾向:美容外科、心臓外科、整形外科、麻酔科など(年収2,000万超も)
  • 中程度:内科、小児科、精神科、皮膚科など(1,000万前後が目安)

■ 地域差・勤務形態の違い

  • 都市部の大学病院などは年収は抑えめでも症例が豊富
  • 地方病院やへき地医療では年収が高め(手当が充実)

医師免許を取得するまでのステップ

【1】高校卒業(または同等の学力)

  • 理系(特に生物・化学・数学)科目が重要
  • 医学部受験に向けた準備が必要(多くが難関)

【2】大学の医学部に入学(6年制)

  • 国公立・私立合わせて全国に約80校の医学部
  • 一般的な入試のほか、推薦・AO・地域枠もあり
  • 在学中は基礎医学、臨床医学、実習などを学ぶ

【3】大学6年次に「医師国家試験」を受験

  • 卒業見込みの学生が受験資格を得られる
  • 合格率は例年90%前後(合格しないと免許取得不可)

【4】医師国家試験に合格 → 医師免許の申請

  • 合格後、厚生労働省に申請し、医師免許を取得
  • この時点で正式に「医師」として登録される

【5】初期臨床研修(2年間)

  • 病院での実地研修(ローテーション制度)
  • 内科・外科・小児科など複数科を経験
  • 修了後に診療科の専門を選び、専門医を目指す

【6】後期研修・専門医の取得(任意)

  • 各専門分野(例:内科、外科、整形外科など)で経験を積む
  • 学会認定の専門医資格を目指す医師が多い

💡 まとめ

医師になるには、高校卒業後に6年間の医学部教育+国家試験合格+2年間の研修が必要で、最短でも8年かかります。学力・体力・精神力のすべてが求められる長い道のりですが、やりがいと社会的意義の大きい職業です。