一生に一度は名乗ってみたい職業。高度な知識で頼れる存在の「弁護士」

弁護士とは?

弁護士は、法律に基づいて個人や企業の権利を守る国家資格を持つ法の専門家です。

主に民事事件(離婚、相続、債務整理など)や刑事事件(被告人の弁護)、企業法務(契約書作成、コンプライアンス対応)など幅広い分野で活動します。

資格を得るには、法科大学院を修了または予備試験に合格した後、難関の司法試験に合格し、司法修習を経て二回試験に合格する必要があります。

合格までに長い年月と高い学力が求められますが、その分、社会的信用度や年収、独立の自由度は高く、非常にやりがいのある職業です。

また、弁護士は法廷に立てる唯一の資格であり、依頼者の人生を左右する重要な判断や交渉を任されるため、責任も大きいですが、人の役に立ちたいという思いを形にできる職業でもあります。

近年では企業内弁護士として働く道も広がっており、多様なキャリアが描ける点も魅力です。

弁護士の主な仕事内容

法律相談・アドバイス

個人や企業からの法律相談に応じ、トラブル解決の方向性や法的リスクを説明します。例えば、離婚問題、相続、労働トラブル、企業の契約問題など幅広い分野に対応します。

交渉・示談対応

依頼者に代わって相手方との交渉や示談を行います。例えば、交通事故の損害賠償交渉や労働問題での和解交渉などがあります。裁判に持ち込まずに円満解決を目指すケースも多くあります。

裁判・訴訟の代理

依頼者の代理人として、民事・刑事・行政事件の裁判に出廷し、主張や証拠を提出して勝訴を目指します。刑事事件では被告人の弁護、民事事件では損害賠償請求や契約トラブルの解決などを行います。

弁護士になるメリット

社会的信頼と地位が高い

法律の専門家として、社会からの信頼が厚く、責任ある職業です。名刺に「弁護士」と記載するだけで信用力が増す場面も多くあります。

独立・開業が可能

弁護士は一定の経験と準備があれば個人事務所を開業できます。自分のスタイルで働ける自由度の高い職業です。成功すれば高収入も可能です。

幅広い業務分野とやりがい

民事、刑事、企業法務、国際法務、知的財産など、活躍のフィールドは多様。困っている人を助けたり、社会正義に貢献できるやりがいがあります。

生涯使える専門資格

一度弁護士になれば、基本的に更新制度はなく、一生その資格を使い続けられます。時代に合わせて分野を広げることも可能です。

高収入が目指せる

勤務弁護士でも年収数百万円〜1,000万円以上、独立後は実力次第でさらに上を目指せます。企業の顧問弁護士やM&A支援で大きな収入を得るケースもあります。

弁護士になった場合の想定年収

✅ 勤務弁護士(法律事務所に所属)

経験年数想定年収
1~3年約400~700万円
5~10年約700~1,200万円
10年以上1,200万円以上も可能

大手法律事務所や企業法務を扱う事務所では、30代で年収1,500万円以上になることもあります。

✅ 独立開業弁護士

ステージ想定年収
開業初期約300~600万円(安定するまで変動大)
中堅以上1,000万~2,000万円以上
成功者3,000万円以上(企業顧問・M&A・訴訟案件など)

※開業後は経費(事務所運営費、人件費など)もかかるため、手取り収入には差が出ます。

✅ 補足:企業内弁護士(インハウス)

大企業に勤める企業内弁護士は、年収600~1,000万円前後が一般的。ワークライフバランス重視の働き方が可能です。

弁護士になるための一般的なステップ

🔹【STEP 1】法学の基礎を学ぶ

弁護士を目指すには「司法試験予備試験」または「法科大学院(ロースクール)」のどちらかを経る必要があります。
主なルートは以下の2つです:

① 法科大学院ルート(大学卒業者の多数派)

  1. 大学で法学部または他学部を卒業(または在学中に受験)
  2. 法科大学院(ロースクール)に進学(2〜3年)
  3. 修了後、司法試験を受験

② 予備試験ルート(独学でも可能)

  1. 司法試験予備試験に合格(合格率は約4~5%)
  2. 司法試験を受験

🔹【STEP 2】司法試験に合格する

毎年5月ごろに実施される国家試験。合格率は約40%前後。
法学の知識に加え、論理的思考・表現力が問われます。

🔹【STEP 3】司法修習(1年間)

司法試験合格後、裁判官・検察官・弁護士の実務を学ぶ研修期間。
修習地は全国各地。給与(修習給付金)も支給されます。

🔹【STEP 4】二回試験(司法修習の終了試験)

これに合格すると、正式に弁護士資格(法曹資格)を取得できます。

🔹【STEP 5】弁護士会に登録して弁護士デビュー

所属する事務所に就職するか、独立開業して実務を始めます。

✅ かかる年数の目安

  • 法科大学院ルート:約7~9年(大学4年+院2~3年+修習1年)
  • 予備試験ルート:約5~7年(大学不要なケースもあり)

まとめ

弁護士は法的トラブルの解決や契約書作成、企業法務などを担う専門職で、社会的信頼も高く、年収は勤務弁護士で600万〜1,000万円、独立開業でさらに上も狙えます。

法科大学院修了または予備試験合格後、司法試験を受験し、司法修習と二回試験を経て資格取得。

論理的思考力と粘り強さが求められ、資格は一生有効です。名乗るだけでも信頼や自信につながる魅力的な国家資格です。