行政書士とは
行政書士は、法律に基づいて官公署に提出する書類の作成や手続きの代理を行う国家資格者です。扱う書類は幅広く、許認可申請(建設業、飲食店、風俗営業など)や、相続・遺言・契約書作成、在留資格申請(外国人関連業務)など、多岐にわたります。
「街の法律家」とも呼ばれ、弁護士や司法書士に比べて身近な存在として個人や中小企業を支援する役割を担っています。試験科目は法令(行政法・民法など)と一般知識から構成され、合格率は例年10%前後とやや難関です。
特に独立開業を目指す人が多く、営業力と専門分野を持つことで高収入も可能です。
書類作成の正確さだけでなく、相談対応力や信頼関係の構築が求められる職業であり、法的知識を活かして社会と人をつなぐ重要な役割を果たしています。
✅ 行政書士の主な仕事内容
官公署への許認可申請の書類作成・代理提出
企業や個人が事業を始めたり、運営したりするために必要な許認可申請を代行します。
例:
飲食店営業許可
建設業許可
風俗営業許可
古物商・産業廃棄物処理業など
👉 各業界の法規制に詳しくなる必要があります。
権利義務・事実証明に関する書類の作成
- 契約や相続など、個人・法人の権利に関わる書類を作成します。
- 例:
- 遺言書・遺産分割協議書
- 契約書(金銭消費貸借契約、業務委託契約など)
- 内容証明郵便
- 定款作成(会社設立時)
外国人の在留資格・帰化申請などの支援
- 出入国在留管理庁への申請書類作成や手続き代行
- 例:
- 在留資格認定証明書交付申請
- 永住許可申請
- 技能実習や特定技能の申請サポート
- 帰化申請書類の作成支援
👉 語学力よりも、制度への理解と丁寧な対応力が大切です。
✅ 行政書士資格を取得するメリット
独立開業ができる国家資格
- 行政書士は開業できる数少ない文系資格のひとつ。
- 資格取得後、実務経験がなくても開業可能で、早ければ20代でも事務所を持てます。
- 自分の専門分野(相続、外国人、許認可など)を磨けば、月収50万円以上も現実的。
副業や在宅ワークにも応用できる
- 書類作成や相談業務は、パソコン1台で完結するものも多く、副業やフリーランスにも最適。
- 在宅で相談対応や書類作成代行を行うスタイルも増えています。
法律の基礎が身につき、仕事の幅が広がる
- 民法や行政法の知識が身につくことで、他の士業や企業法務とも連携しやすくなります。
- キャリアアップや転職でも「法務知識あり」として評価されることも。
他の国家資格との相性が良い
- 社会保険労務士、宅建士、司法書士、FPなどとのダブルライセンスで業務の幅が拡大。
- 例えば、行政書士+宅建士で不動産関連の許可や契約サポートが可能に。
一生使える & 年齢・学歴不問で挑戦できる
- 行政書士試験は学歴・年齢に制限がなく誰でも受験可。
- 一度合格すれば更新不要で、一生有効な国家資格です。
行政書士としての働き方のイメージ
行政書士の働き方は非常に幅広く、独立開業型から企業内勤務、副業や在宅ワークまで、多様なスタイルがあります。
✅ 【独立開業型】
もっとも多い働き方で、自分の事務所を持って活動します。
🏢 活動例
- 建設業許可や飲食店営業許可など、各種許認可申請の代行
- 遺言・相続、契約書作成の相談業務
- 外国人のビザ・在留資格申請
- 地域密着で個人・中小企業の“法律サポーター”として活躍
📝 こんな人に向いている
- 自営業志向のある人
- 自由に働きたい人
- コミュニケーションが得意な人
✅ 【企業内行政書士(インハウス)】
企業の法務・総務部門で、行政書士資格を活かして勤務する形です。
🏢 活動例
- 企業の許認可申請、契約書チェック・作成
- 法改正への社内対応
- 社内の文書管理・コンプライアンス指導
📝 こんな人に向いている
- 安定志向がある
- 法務・総務の専門性を高めたい
- 士業の資格を活かしつつ会社組織にいたい人
✅ 【副業・在宅ワーク型】
行政書士資格を使って、副業や在宅でスポット業務を請け負う形です。
🏢 活動例
- クラウド経由での書類作成代行(例:内容証明、契約書)
- 外国人のビザ相談や翻訳付き手続き代行
- Webサイトで行政書士として情報発信し、依頼を受ける
📝 こんな人に向いている
- 本業を持ちつつ副収入が欲しい
- 育児・介護と両立したい
- ネット集客やライティングが得意
✅ 働き方の自由度が高い職業
行政書士は国家資格ですが、必ずしも実務経験が必要ではなく、開業のハードルが比較的低いため、個々のライフスタイルに合わせて働き方を選びやすいのが魅力です。
✅ 月収別・行政書士の働き方モデル
🔸 月収5〜10万円:副業・在宅型
- 本業の合間や土日を使って働くスタイル
- 単発の契約書作成、内容証明、遺言書サポートなど軽めの業務が中心
🛠 主な仕事例
- 契約書作成 1件1〜3万円
- 内容証明作成 1通1万円前後
- 行政書士サイトやSNSから受注
👉【向いている人】:副業したい会社員、育児中の主婦、在宅ワーカー
🔸 月収15〜30万円:開業初期・個人案件中心型
- 独立後1〜2年目の個人開業者に多い層
- 相続・遺言や建設業許可、車庫証明など小型案件を数多くこなすスタイル
🛠 主な仕事例
- 相続書類一式:5〜10万円
- 建設業許可申請:7〜15万円
- 自動車登録・車庫証明:1件あたり5,000〜1万円
👉【向いている人】:地元密着型で経験を積みたい人
🔸 月収30〜50万円:許認可+専門特化型
- 特定分野(建設業、風営法、外国人関連など)で実績を積み、安定的に受注できる状態
- 紹介やリピーターも増え、効率よく案件をこなせる
🛠 主な仕事例
- 飲食店・風俗営業許可:10〜20万円
- 技能実習ビザ申請:8〜15万円
- 建設業関連の更新・変更手続きも定期収入に
👉【向いている人】:特化分野を持ちたい、法人顧客を増やしたい人
🔸 月収60万円以上:法人案件中心・複数分野展開型
- 法人契約を複数持ち、顧問契約や大型案件を受けている状態
- 補助金申請や入管業務、M&A関連など、高単価・高難度業務も対応可能
🛠 主な仕事例
- 顧問契約(月額3〜10万円×数社)
- 補助金申請支援:1件20〜50万円
- 帰化申請や法人設立支援:10〜30万円
👉【向いている人】:営業力がある、実務経験が豊富、事務所拡大を目指したい人
✅ 行政書士は月収・働き方を調整しやすい
月収帯 | 働き方 | 特徴 |
---|---|---|
5〜10万円 | 副業・在宅 | 単発業務で収入補助 |
15〜30万円 | 個人開業(初期) | 小型案件を積み重ねる |
30〜50万円 | 特化型開業 | 分野特化+リピーター獲得 |
60万円以上 | 専門事務所型 | 法人顧問や高単価案件多数 |
✨ まとめ
試験勉強は決して簡単ではありませんが、努力は確実に力になります。合格後は、独立して自分のペースで働いたり、人の役に立つ実感を得られる、やりがいある仕事が待っています。
40代以上の働く人でも空いた時間で勉強すれば取れる国家資格で、学歴も必要ではありません。
将来いつでも独立開業できる強い国家資格。独立開業時には初期投資があまり必要でないのもメリットです。